フェラーリと2cvどっちが偉い?
今年の春頃、軽井沢に行った時に浅間山博物館で、シトロエン2cv(ドゥーシーボと読みます)が博物館の広い駐車場を走っていました。最近は殆ど見なくなった2cv。だいたい普通の感覚で街中や、高速道路を走ると危険でしょう。スパルタンだからではなく、パワーがあまりにも低いからです。まだまだ2cvが好きで、乗りたい人も多いと思いますが、あれを所有し、実際に運転使用というのはメンテナンスの問題も含めかなりハードルが高い望みでしょう。
以前、2cvを見たのは、たぶん3年くらい前に普段歩かない裏道を歩いている時のことです。ごく普通の一軒家に、もの凄く狭い駐車スペースに2cvが置いてありました。かなり外観も傷んでいて、サビもかなり出ていて、車体を雑草が少し隠しているような状態です。 どう見ても動かないと感じました。(ナンバープレートの確認は残念ながらしていません)つまりオブジェ化していたんです。でもオブジェとしてとても素晴らしいものでした。きっとオーナーは捨てられないのでしょうね。よく、古くて大きな洋館の玄関近くに彫刻があったりしますが、広い庭があって、草ぼうぼうで、そこに彫刻が置いてある、あれと同じ意味合いです。
もちろん新しいフェラーリの世界とは全く違います。時計は、全てとは言いませんが、古くなればなるほど増していく魅力というものがあります。それに気付かせてくれたシトロエン2cvでした。
成功の証(あかし)や豪華さとは別の価値観。それに気付いた人のモチベーションによりそういう時計は維持されるということです。そしてその時感じる価値観は金額では有り得ません。