腕時計が“磁気帯び”するのは故障?原因や対応策について解説

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スマートフォンやPC、電子レンジやテレビなどの家電製品、マグネット付きの家具や健康器具……。私たちの日常生活において、磁気を発生する製品は身のまわりに数多く存在します。磁気による人体への影響は、さほど心配する必要はありません。しかし、時計にとって磁気は大敵であり、故障の原因にもなり得るのです。

オメガ スピードマスター

近年では耐磁性を考慮してつくられた腕時計が多いですが、アンティーク時計は磁気の影響を受けやすいため、保管場所や扱い方に十分気をつけなければなりません。

磁気帯びとは

金属が磁気の影響を受けると、磁石のようにくっついたり反発したりする性質へと変化します。この現象を“磁化”といいます。腕時計のムーブメントを構成する部品の多くは金属製です。金属が磁化してしまうことで“磁気帯び”が生じ、腕時計の正常な動作に支障をきたす原因となります。

時計タイプ別 磁気帯びの症状

– アナログクオーツ

【症状:進み・遅れ・止まり】
外部から磁気をうけると影響されます。磁気から遠ざければ症状は復帰。

– 機械式時計

【症状:進み・遅れ】
外部から磁気をうけると内部の部品が磁化され、テンプの動作が不安定に。復帰させるには磁気抜き(脱磁)が必要となります。

– デジタルクオーツ

【症状:なし】
磁気の影響をうける部品がないため変化なし。ただし、方位計測機能がある場合は、方位が正しく表示されなくなる場合もあります。

磁気抜き(脱磁)とは

磁気抜きは、磁気帯びしてしまった腕時計から磁気を抜き取る作業です。脱磁とも呼ばれています。

磁気抜きは脱磁器で問題無く対処できる場合がほとんどですが、あまり多く磁気を帯びていると時計本体を分解し、内部の部品をひとつひとつチェックしながら磁気を抜くという、非常に細かい作業が必要になってしまいます。

また市販の磁気抜き器も販売されていますが、一般に販売されているものは脱磁の力が弱いということと、使用方法や手順を間違えると逆に磁気を帯びてしまう場合があるため、十分に注意が必要です。

”腕時計が磁気帯びしているかも……”と感じたらカナルクラブへご相談を

磁気は目で確認できません。磁気抜きが必要な場合は、知識の豊富な専門家のもと、正しく脱磁(修理)を行うのが望ましいです。ご愛用されている腕時計が遅れる・進む・止まるといった症状を感じましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

カナルクラブは、御徒町で50年以上続く、高級腕時計専門の修理工房です。経験豊富で腕のいい技術者が、責任を持ってお客様の時計をオーバーホールいたします。機械式腕時計の定期メンテナンスやオーバーホールは、年間7000件の修理実績を誇るカナルクラブにお任せください。高度な技術を、適正価格でご提供いたします。

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こちらのコラムでは主に初めてオーバーホールする方に向けてぜひ知っておいていただきたいことを書いています。

カナルクラブではオーバーホールの大切さを知っていただき、大切な腕時計の価値を長持ちさせていただきたいと思っております。

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