ポリッシュの意外な落とし穴。腕時計全体の美しさを引き出すメンテナンスとは

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新品のように美しく。「ポリッシュ」とは

高級時計は日常の使用によって、知らず知らずのうちに小さなキズやくすみが蓄積されていきます。最初は気になっていたキズも、数が増えると目立たなくなり、やがて“味”として愛着の一部になることさえあります。

けれども、もしその時計に少し飽きを感じているのであれば、ポリッシュを施すことで、まるで新品のような輝きを取り戻せるかもしれません。特にオーバーホールのタイミングでポリッシュを加えることで、見た目はもちろん、時計への気持ちもリフレッシュされるはずです。

本記事では、時計の外装を磨き上げる「ポリッシュ」について、その基本知識から仕上がりの質を左右するポイント、さらには本当に満足できるメンテナンスの考え方まで、総合的に解説していきます。

時計の「輝き」を取り戻すポリッシュとは

「ポリッシュ」とは、ケースやブレスレットに生じたキズやくすみを削り取り、表面を滑らかに整える研磨作業のことです。くすんだ金属が本来の輝きを取り戻し、まるで新品のような印象に生まれ変わります。

小キズの蓄積によって“ヴィンテージ感”が増す場合もありますが、ポリッシュを施すことで外装全体がリフレッシュされ、気持ちまで一新されたという声も多く聞かれます。

カナルクラブが考える“上質なポリッシュ”

「ポリッシュ」とは、ケースやブレスレットに生じたキズを削り取り、表面を整える研磨作業です。表面的な傷の層を削ることで、時計は美しい輝きを取り戻します。ただし、単にキズを消すだけでは、”上質なポリッシュ”とは言えません。

カナルクラブでは、以下の点を重視しています

  • オリジナルに近いヘアライン仕上げや鏡面仕上げの再現
  • ケースやブレスレットのフォルムを損なわないよう配慮
  • 通常よりも多くの工程を踏む丁寧な磨き作業

これにより、削りすぎず、自然で品のある仕上がりが可能となります。ポリッシュはただの傷消しではなく、感動を蘇らせるための技術であると考えています。

「外装だけ整える」ことの落とし穴

■ 時計の“顔”とのバランスが崩れることも

ポリッシュによって外装が美しくなった反面、文字盤や針といった“顔”の部分が経年劣化していた場合、仕上がりに不自然さを感じることがあります。たとえば、ケースだけピカピカでも、文字盤に焼けや汚れ、針に腐食が残っていると、かえって不自然さが目立ちます。

時計は、外装・文字盤・針・ムーブメントといった各要素が調和してこそ、真の美しさが引き立つものです。外装だけを整えると、逆に“アンバランスさ”が際立ってしまうこともあるのです。

■ 文字盤も綺麗に。文字盤プリントとは

文字盤プリント(リダン)はポリッシュと並んで“外観を綺麗にする作業”の一つです。この2つを組み合わせて行うことで、まるで新品のような輝きを取り戻すことができます。

既に製造が終了していたり、交換用パーツが高額すぎるといった理由で文字盤の交換が難しい場合でも、文字盤プリントなら対応可能です。また、過去にポリッシュを施して全体のバランスが崩れてしまったという方や、これからポリッシュを検討されている方にも、ぜひ文字盤プリントを併せてご検討いただきたいメニューです。

腕時計に新品のあの頃のような輝きを

カナルクラブは御徒町で50年にわたり、ロレックスをはじめとする高級時計の修理・メンテナンスを専門に行ってきました。

ポリッシュ単体でのご依頼はもちろん、オーバーホールとのセットも承っております。より自然で美しい仕上がりを実現するためには、オーバーホールや文字盤・針の状態確認を含めた総合的なご提案を大切にしています。

ポリッシュをご検討の方、時計全体を整えたいとお考えの方は、ぜひ一度カナルクラブへご相談ください。

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こちらのコラムでは主に初めてオーバーホールする方に向けてぜひ知っておいていただきたいことを書いています。

カナルクラブではオーバーホールの大切さを知っていただき、大切な腕時計の価値を長持ちさせていただきたいと思っております。

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