今回も前回に引き続きアンティークウォッチのメンテナンスについてとなりますが最終回です。

修理後にもメンテナンスは必要ですか?

3-4年に一度の定期的なメンテナンスが重要です。オーバーホール時に適切なパーツ交換がされます。オーバーホール以降は、ある程度の定期メンテナンスは必要になりますが、メンテナンスとメンテナンスの間の「正しい使用習慣 を意識していただくと、“時計に優しい部品環境”を守ることが可能になり、非常にリーズナブルなメンテナンスが期待できます。今後数十年の維持が、オーナー様にとって快適で楽なものになれば良いと、カナルクラブでは考えています。

 

アンティークウォッチの外見上の傷みについて

ポリッシュ・再仕上げ可能です。お悩みの際はご相談ください。時計の外見上の傷みというのは、ケース(時計本体)・ブレスレット・ガラスについて言えば「キズ」、文字盤、針については「変色、サビ、腐食」などのことを指します。ケース・ブレスレットのキズについてはポリッシュ(外装研磨)でほぼ取り去ることができます。また文字盤・針は、交換あるいは再仕上によって元の状態にできるだけ復活させます。ポリッシュも再仕上もどちらも効果的で、良い感じに仕上がります。ご希望であれば、綺麗にさせていただきます。

しかし、アンティークウォッチの価値基準の一つに“販売された当時のオリジナルのまま”というのがあります。アンティークウォッチの価値を意識した場合、『交換・再仕上をして綺麗に気持ちよく使うのか?』あるいは『アンティークウォッチだけの価値観を意識しできるだけオリジナルで通すのか?』オーナー様によって判断が分かれるところです。お悩みでしたらぜひスタッフにご相談ください。

 

部品は純正ですか?

カナルクラブでは純正部品を使用しています。カナルクラブの方針として、将来著名なオークションに出したときに価値が下がっていないこと、逆に価値が上っていることです。(相場を上げること自体は社会の価値感が上げていきます)もちろんカナルクラブが推奨しているのは、ずっとその時計を持ち続けることですので、オークションに出品なさることをお薦めしているわけではありません。この基準はあくまでもメンテナンス時の価値観の目安としています。アンティークウォッチがその社会的な価値観に見合ったものであり続けるにはメンテナンスもそれに則したものであることが必要です。そのためにはベルトなど一部の部品を除き、純正部品使用というのは譲れないところです。

アンティークウォッチは新しい時計に買い替えるべき?

古い時計・最新式の時計どちらも特有の魅力があります。古い時計も最新式の時計もそれ特有の魅力があります。どちらが好みかは人によりますが、両方とも好きだという方も多いかと思います。『古くて動いておらず、汚れも気にになる』となると、手放してしまいたくなる気持ちになるのも無理ないと思います。ただ、歩んできた歴史や思い出、形見で受け継いだ方は、そのレガシーなどプライスレスな価値も破棄し失うことになります。諦めかけていた時計が修理によって蘇生するという体験をされると、より一層の愛着がわくようになると思います。

革ベルトを新品に交換したり色をかえることで、時計の印象も大きく変化します。また、同時に複数の時計を所有し楽しむのは高揚感もあり、長い目で見て時計の劣化を抑える効果もあるのでお奨めです。

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