腕時計のメンテナンスは技術だけでは完全ではない

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特に高級時計は腕の良い熟練の技術者に修理を依頼したいものです。
しかし時計のメンテナンス、修理というのは非常に長い期間の間に何度も必要になるものなので、初回の依頼のことだけ考えていても、今後何十年もお使いになるとお考えのオーナーにとっては全く充分とは言えません。

メンテナンスをする店を選ぶのも、一体何を基準にすればいいのか、多くの方は悩むところでしょう。
しかし、ある条件をクリアしているのかを確認すると、見極めることができるのです。
その条件の一つは老舗であるということです。
長く愛され続けている店舗は、それだけ実力があるということであるため、安心してオーバーホールを依頼することができるでしょう。また、個人ではなく業者からの依頼を引き受けているところも、技術が高い店舗だと言えます。

お問い合わせ時に尋ねてみよう

また部品交換についてもこのようなことが言えると思います。
何でも交換すれば良いというものではない、と同時に交換が少なければ良いというものでもない、ということです。
大切なのはまず一度良い状態に戻すこと。
その後は高額部品を壊さない使い方をして(修理完了後に動画をお送りします)定期的なメンテナンス=オーバーホールを行う(最低5年までに)ということになります。

時計を長年使用していくなかで可能な限り毎回平均的に低い価格でメンテナンスできるのが理想です。
もちろん初回のご依頼の際には部品交換が多かったり、高額部品が破損していることもあり、期待される金額を超えてしまう可能性もあります。
ただその次からは高額部品の交換は無しで行きたいですね。
まず多くの部品を交換するのは、通常長い期間ノーメンテナンスであることがあるかと思います。
しかし、高額部品の破損については、100%とは言えませんが、メンテナンスとメンテナンスの間の数年間の使用習慣を変えるだけでほぼ解決します。
その使用習慣が身についてしまえば、その後4から5回(またはそれ以上)は高額部品の交換は必要無いと考えてよいでしょう。

4回から5回というのは約20年ということです。
しかしこの理想的なメンテナンスは定期オーバーホールをするだけでは実現しません。
メンテナンスとメンテナンスの間の使用習慣が大事です。次回メンテナンスだけでなく、とりあえず20年後を見据えたメンテナンス計画になります。

これは使用習慣によって大きく違ってきますので、このような情報を分かりやすくお伝えするということをカナルクラブでは行っています。

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こちらのコラムでは主に初めてオーバーホールする方に向けてぜひ知っておいていただきたいことを書いています。

カナルクラブではオーバーホールの大切さを知っていただき、大切な腕時計の価値を長持ちさせていただきたいと思っております。

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