普段通り使っていた腕時計が、突然止まってしまった。
こうした経験をされた方も多いのではないでしょうか。
腕時計が止まる原因は一つではなく、複数の要因が関係している場合があります。
一見すると同じ”止まる”という症状でも、機械式時計とクォーツ時計では原因が異なることも珍しくありません。
本記事では、代表的な原因とその考え方について解説します。
腕時計が止まる主な原因
■ ゼンマイの巻き上げ不足
機械式時計の場合、動力となるゼンマイの巻き上げが不足すると停止します。
特に使用頻度が低い場合は注意が必要です。
自動巻き時計は腕の動きで巻き上がる仕組みですが、デスクワーク中心の生活では思ったほど巻き上がっていないことがあります。
“毎日着けているのに止まる”という場合でも、実は動力不足が原因になっていることは少なくありません。
■ オイルの劣化
内部の潤滑油は、時間とともに劣化します。
劣化が進むと摩擦が増え、動作が不安定になります。
本来なめらかに動くはずの歯車や軸が、油切れによって抵抗を受けるようになると、止まりやすくなったり、精度が不安定になったりします。
最初は”少し遅れる”、”ときどき止まる”といった軽い症状でも、放置すると部品摩耗に発展する可能性があります。
■ 磁気の影響
スマートフォンやパソコンなど、身近な電子機器によって磁気帯びが起こることがあります。
精度異常や停止の原因となるため注意が必要です。
特に機械式時計では、ひげゼンマイが磁気の影響を受けることで、急に進んだり遅れたりすることがあります。
磁気帯びは見た目では判断しにくいため、”ぶつけた覚えもないのに様子がおかしい”という場合に見落とされやすい原因のひとつです。
止まったときにまず確認したいポイント
■ すぐに故障と判断しない
腕時計が止まった場合、すぐに故障と判断する前に、いくつか確認できるポイントがあります。
機械式時計の場合は、ゼンマイを十分に巻いてみましょう。
クォーツ時計の場合は、まず電池切れを疑うことが基本です。
直前に強い衝撃があったかどうかも確認しておくと、原因の切り分けがしやすくなります。
■ 衝撃や電池切れも原因になる
落下や強い衝撃によって、内部の部品がズレることがあります。
外見に問題がなくても、内部に影響が出ているケースもあります。
クォーツ時計の場合は、電池切れが最も一般的な原因です。
ただし、長期間そのまま放置すると、電池が液漏れを起こし、回路に深刻なダメージを与えることがあります。
対応時の注意点
■ 無理な操作は避ける
止まった状態で無理に操作を行うと、内部にさらなる負担がかかる可能性があります。
巻き上げが重いのに無理に回し続けたり、動きが悪い状態で時刻合わせを何度も行ったりすると、部品への負担が増してしまいます。
原因が分からないまま強く操作するのは避けたほうがよいでしょう。
■ 一時的に動いても油断しない
少し置いたら動き出した、軽く振ったらまた動いた、というケースもあります。
しかし、一時的に動いたとしても、内部の問題が解決したとは限りません。
むしろ、症状が出たり消えたりする段階は、内部劣化の初期サインである場合もあります。
本格的に止まってしまう前に、違和感の段階で確認することが大切です。
■ 異常が続く場合は点検を
一時的に動いたとしても、内部に問題が残っているケースもあります。
違和感が続く場合は、専門店での点検が安心です。
特に、高級時計や長く使いたい時計ほど、早い段階で状態を確認することが結果的に修理費用を抑えることにつながります。
まとめ|止まる前の違和感を見逃さない
・動力不足や磁気帯びなど、故障以外の原因も多くあります。
・油切れの状態で無理に動かすと、内部パーツを削ってしまう可能性があります。
・電池切れの放置は液漏れによる二次被害を招くことがあります。
カナルクラブは御徒町で50年以上、高級時計の修理を専門に行っています。
今回は、腕時計が止まる主な原因と、異常を感じた際の考え方について解説しました。
異常を感じた段階で対応することが、時計への負担を最小限に抑えるポイントです。
状態確認やご相談だけでも、時計の現状を丁寧に見極めます。
気になる症状がある場合は、早めに相談しておくことをおすすめします。
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こちらのコラムでは主に初めてオーバーホールする方に向けてぜひ知っておいていただきたいことを書いています。
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