「特に不具合は感じていないけれど、もう何年もオーバーホールをしていない」——そういった方は、意外と多いのではないでしょうか。
高級時計は精密機械であるがゆえに、内部の劣化は外見に現れにくいという特徴があります。文字盤に傷もなく、針もしっかり動いている。だからといって、内部も問題なしとは言い切れません。
この記事では、時計の修理やオーバーホールを後回しにすることで起きうるリスクと、「早めに動く」ことが結果的に時計を守ることになる理由について解説します。
「動いている」は「健康」を意味しない
■ 内部の潤滑油は見えないところで劣化している
機械式時計のムーブメントには、部品が滑らかに動くための潤滑油が使われています。この油は使用環境や保管状態によって少しずつ劣化・固着し、放置すると部品同士の摩擦が増え、細かな金属粉が発生することがあります。
この状態が続くと、ギアや軸受けなどの部品が少しずつ削られていきます。外側からは「動いている」ように見えても、内部では静かに消耗が進んでいる ——これが機械式時計の難しいところです。
■ 「少しズレる」は異変のサインかもしれない
「最近ちょっと時間が遅れる気がする」という感覚を、「こんなものかな」で流してしまうことはないでしょうか。機械式時計には多少の誤差があるものですが、以前と比べて明らかにズレが大きくなってきた場合は、内部の状態が変化しているサインである可能性があります。
早い段階で点検に持ち込めば、洗浄・調整で対応できることも多いです。しかし放置が長期にわたると、部品交換が必要になり、修理の範囲と費用が大きくなります。
後回しにするほどコストは上がる
■ 軽い整備が「全交換」になるまで
定期的にオーバーホールを受けている時計は、内部の消耗が最小限に抑えられています。一方、長期間メンテナンスを怠った時計は、複数の部品が同時に損耗しているケースが多く、分解洗浄だけでは済まず、部品の交換が重なることがあります。
部品によっては製造終了となっているものもあり、調達に時間や費用がかかる場合もあります。「あのときもっと早く持ってきていれば」というお声を、修理の現場ではよく耳にします。
■ 時計の寿命は「使い方」より「手入れ」で決まる
高級時計は正しくメンテナンスを続ければ、数十年・それ以上にわたって使い続けることができます。逆に、いくら良い時計でも手入れを怠れば、使用環境によっては10年も経たないうちに深刻な状態になることがあります。
時計を長く使い続けるための最善策は、異変を感じてから動くのではなく、定期的に専門家の目で状態を確認してもらうことです。
カナルクラブは御徒町で50年以上、高級時計の修理を専門に行っています。
今回は、時計の修理やオーバーホールを後回しにすることで起きうるリスクと、「早めに動く」ことが結果的に時計を守ることになる理由について解説しました。
・機械式時計の内部劣化は外見に現れにくく、動いていても要注意
・潤滑油の劣化放置は部品摩耗につながり、修理費用が増える原因になる
・「時間のズレが大きくなった」は早めに点検するサイン
・定期的なメンテナンスが、時計の寿命を大きく左右する
カナルクラブは御徒町に創業50年の高級時計専門修理工房です。「最後にオーバーホールをしたのがいつか思い出せない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。状態を拝見した上で、最適なメンテナンスのご提案をいたします。
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こちらのコラムでは主に初めてオーバーホールする方に向けてぜひ知っておいていただきたいことを書いています。
カナルクラブではオーバーホールの大切さを知っていただき、大切な腕時計の価値を長持ちさせていただきたいと思っております。
ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください。




