修理のあと、針はどこへ向かうのか
修理を終えた時計が、箱に入って戻ってきます。殆どの人は、あー直った。動くようになった。とりあえず一安心。でも、Canal Clubで日々時計に触れていると、ここからが大切であると考えています。オーナーの生活の中が最も重要であると考えます。
朝、何気なく腕に巻く。仕事の合間に、ちらっと時間を見る。帰宅して、外して置く。その繰り返しの中に戻っていくこと。
しかし面白いのは、修理を終えた時計ほど、すぐには使われないことがある点です。
「また止まったら嫌だから」
「もう少し落ち着いてから」
理由はいろいろですが、本当はたぶん、自分の生活に戻すタイミングを探している。時計は、生活のリズムと噛み合わないと、落ち着きません。だから無理に使わなくていい。
戻す場所は、“今の自分の時間”に合うところでいい。修理とは、時計を新品に戻すことではありません。また一緒に時間を過ごせる状態にすること。

時間を見る回数が増えたり、動きが少し丁寧になったり。そんな感覚ありませんか。
時計が戻る場所は、持ち主の「今」にしか存在しない。
だからこそ、人は簡単に手放せないし、修理が終わっても、しばらく眺めてしまうんでしょうね・・・
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