防水機能がある腕時計でも浸水で故障してしまう?原因と修理方法

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腕時計には、防水性と非防水性があります。防水機能のある腕時計には、文字盤や裏ぶたに“WATER RESISTANT”と表示があり、表示がない腕時計には防水機能はありません。

防水時計の種類と用途

● 日常生活用防水
2~3気圧まで
汗や雨に濡れる、洗顔時の水滴程度
表示例)WATER RESIST

● 日常生活用強化防水
∟5気圧
水仕事や水泳・マリンスポーツ程度
表示例)WATER RESIST 5BAR

∟10気圧・20気圧
水泳・素潜りなどの軽い潜水程度
表示例)WATER RESIST **BAR

● 潜水用防水
水深100~200mまでの耐圧性
スキューバダイビングや浅海での潜水
表示例)diver’s ***m

● 飽和潜水用防水
水深200~1000mまでの耐圧性
深海への潜水
表示例)for saturation diving

上記のように、偏に防水腕時計といっても、種類によって防水の性能が異なります。防水機能があるからといって、生活防水レベルの腕時計を着けたままマリンスポーツをした場合、故障の原因となってしまうのです。

しかし、潜水用防水の機能を兼ね備えている、いわゆる“ダイバーズウォッチ”であっても、浸水で故障してしまうケースがあります。それは、いったい何故でしょうか。

高い防水機能がある腕時計でも浸水で故障してしまう原因

パッキンの劣化

防水時計には、ガラス・裏ぶた・リューズ・ボタンにパッキンが組み込まれており、内部の精密機械を浸水から守る仕組みになっています。パッキンが劣化してしまうと、防水性が正しく機能しなくなるため故障の原因となるのです。

リューズの緩み

ねじこみ式のリューズがわずかに緩んでいたり劣化したりすると、そこから水が侵入し故障の原因となる場合があります。水中で使用する目的がある際は、緩みや劣化がないかを修理店にて事前に確認しておくと安心です。

水中での操作

水中はもちろん、水分がついたままの状態、濡れた手によるリューズやボタンの操作はたいへん危険です。時計内部へ水分が浸水し、動作不良や故障の原因となります。

お風呂での使用

お風呂のお湯は、時計内部の金属部分に悪い影響を及ぼします。また、熱や石鹸などはパッキンの劣化を早めてしまうため、故障の原因になりやすいです。

時計内部が水蒸気で曇っていたらすぐにオーバーホールを

”高い防水機能がある腕時計だから”と過信して、定期的なメンテナンスを怠ったり使用方法を間違えたりすると、正しい防水性は発揮できません。また、浸水したまま放置すると、時計内部の精密機械が錆びたり破損してしまうことがあります。水分との接触後に放置してしまった場合には、お早めに修理やオーバーホールの依頼をするようにしましょう。

カナルクラブは、御徒町で50年以上続く、高級腕時計専門の修理工房です。経験豊富で腕のいい技術者が、責任を持ってお客様の時計をオーバーホールいたします。機械式腕時計の定期メンテナンスやオーバーホールは、年間7000件の修理実績を誇るカナルクラブにお任せください。高度な技術を、適正価格でご提供いたします。

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こちらのコラムでは主に初めてオーバーホールする方に向けてぜひ知っておいていただきたいことを書いています。

カナルクラブではオーバーホールの大切さを知っていただき、大切な腕時計の価値を長持ちさせていただきたいと思っております。

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