精密機械は劣化するもの
腕時計は精密機械であるため、使っているうちにだんだん劣化していきます。
どんなに高価なものでも劣化は避けられないため、精度を維持するために定期的なメンテナンスが欠かせません。劣化の主な原因はオイル切れと、ゴムパッキンの劣化によるサビの発生です。精度を維持する腕時計のメンテナンス方法の一つにオーバーホールがあります。針が動かない、時刻がずれているなど、精度が落ちてきたと感じたらオーバーホールを依頼してみてはいかがでしょうか。修理をせずに使えるだけ使っていると、どんどんダメージが大きくなります。修理をしても元に戻らないこともあるため、3年から4年、最低でも5年までのメンテナンス=オーバーホールが必要です。しかし、どのような作業をするのか不安になる方もいるのではないでしょうか。直してもらうために預けたのに、状態が悪化して返ってきたら大変です。大切な腕時計の精度を維持するために、最低限の知識を身につけておきましょう。
原因によって対処の仕方が異なる
普段、腕時計の内部を見る機会はありませんが、蓋を開けて見ると様々な部品が取り付けられています。
一つでも不具合が発生すると、他のパーツにまで負荷がかかり、どんどん状態が悪くなっていってしまうのです。また、部品がスムーズに動くようにオイルをさしていますが、油切れやオイルの質が悪くなると、動きにくくなり時刻がずれる原因になります。そのため、オーバーホールで古い油を綺麗に洗浄し、新しくオイルをさします。オイルは3年から4年ほどで乾燥が生じるため、数年に一度は洗浄と補充が必要です。また、強い磁気を受けることも精度に影響与えます。一度でも影響を受けると、ムーブメント内に磁気が残ってしまうためいくら磁気から遠ざけても元に戻りません。この場合は専用機器を使って脱磁を行います。直ったら再び影響を受けないように扱い方を見直してください。少しでも磁気を発するものがあれば離しておくように心がけることが大切です。破損状態が酷ければ直らないこともあるため、日頃の使い方やメンテナンスの頻度を考えてみてはいかがでしょうか。
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こちらのコラムでは主に初めてオーバーホールする方に向けてぜひ知っておいていただきたいことを書いています。
カナルクラブではオーバーホールの大切さを知っていただき、大切な腕時計の価値を長持ちさせていただきたいと思っております。
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