6年位前に人間の意識の仕組み(盲点 偏桃体などについて)関係のセミナーに行った時の話しです。講師がいきなり「自分の時計の文字盤を描いてみて」と指示しました。スラスラと描けて当たり前と思ったのですが、案外記憶が曖昧で、描いてみるとたくさん間違いがありました。
時計全体の形・文字盤の形、カレンダー付きかどうか、時間の表示はインデックス(棒字)なのか、Ⅰ Ⅱ Ⅲ・・・のローマ数字なのか、1 2 3・・・のアラビア数字なのか等々・・・。
その後、私自身も何人かの人に自分の時計を描いてもらいましたが、程度の差こそあれ、かなり記憶は曖昧でした。購入するときには、じっくりデザインを凝視して、細かいところまで観察したはずなのですが、その後しばらくすると腕にいつもつけてるアクセサリーとして、また時間を見る道具としての認識になり、デザインを味わうという感覚からは遠ざかってしまうようです。人間の脳は案外いろいろなものを一度に把握できていません。だからその時に重要なこと(時刻)だけ意識するそうです。他の情報は認識しません。だから、毎日見ている時計の文字盤が良く分からないのです。
購入時に気に入った部分を思い出す
これは自分の時計の価値を見失うことに繋がるかもしれません。たまに落ち着いてじっくり眺めるのも、時計の価値を見直す方法といえるのでは?