アンティーク(オールド)ウォッチのメンテナンス 3-2
アンティークウォッチは状態が悪いことが多い?
アンティークウォッチだから、コンディションが悪いというわけではありません。メンテナンス習慣によります。確かにあまりメンテナンスをされていなかったためにコンディションの悪い時計も見られますが、「アンティークウォッチだからコンディションが悪い」というわけではありません。新旧問わずコンディションが悪い時計というのは、使用頻度が高いにもかかわず、メンテナンスを怠ったままにしているものがほとんどです。
やはり、“定期的なメンテナンス=オーバーホール”が時計の状態を保つ要となります。部品に優しい内部環境を取り戻すことが最優先事項です。メンテナンス(=オーバーホール)をされているアンティークウォッチなら、部品に注してあるオイルやゴムパッキンの劣化を防いでいるため、多くの内部部品が劣化または破損している可能性が低いはずです。そのような場合、アンティークウォッチだとしても、コンディションは新しい時計と変わりません。メンテナンス時期になった時に、オイルの劣化があるだけでしょう。
カナルクラブのリピーターの方は、アンティークウォッチでもパーツが非常に良いコンディションを保っており次回以降のメンテナンス時にほとんど部品交換の必要がほとんどないケースが多くなっています。理想的なメンテナンスサイクルを保つことにより、使用習慣が改善されているためです。
アンティークウォッチは今後どれくらい使えますか?
メンテナンス=オーバーホール後は、「正しい使用習慣 ※」と定期メンテナンスで長期間ご使用が可能になるでしょう。ただし、部品が入手不可能になった後でも、部品修正や、部品作成で対応ができる可能性があります。この“部品修正・作成”という分野についてはこれからさらに必要が増してくると考えています。また技術も必要性が増すにつれ、開発されていくはずです。部品により修正や作成が、現時点ではできないものもあるので部品を守ることは重要です。(ちなみに1970年代、80年代の部品は純正部品が相当数残っています)定期メンテナンスと正しい使用習慣により今後20年、30年、あるいはそれ以上ご使用いただくことが可能でしょう。
※ 「正しい使用習慣」についてはオーバーホール後に動画にてお伝えしております。動画をご覧頂き、部品に負担の無い使用習慣と定期メンテナンスを実践してください。
私の時計は直す価値はありますか?
アンティークウォッチには直して使い続ける価値があります近年のアンティークウォッチの価格上昇により、所有されている時計に対する気持ちがより高まったということもあるかと思います。しかし、今後価格が下がったとしてもそれに比例して気持ちも下がるということはないと思います。(一時のブームではないので、実際は市場価格が下がるということは無いと思います。)
さらに言うと、アンティークウォッチこそ直して使い続ける価値があるとカナルクラブでは考えています。それは長い時間の経過によって、社会的にも、個人的にもすでに価値が熟成されているからです。もちろん今後も熟成は続きます。一方、新しい時計はまだ完全に熟成されていないので、これからどうなるかわからない面もわずかに残していますし、熟成するにも、一部の時計を除いて長い年月がかかります。現代では末永く持ち続ける価値のあるモノはだんだん減ってきています。古いモノはより性能の良いもの、より利便性の高いモノ、より目新しいモノに、駆逐されていきます。今までもそうでしたし、これからもそうでしょう。その中で、時計は特別な存在であり、別の価値観の上にあります。
また、今後どれくらいの時計が残っていくか?というのも社会的価値(個人的な価値も含め)に影響していくはずです。つまり希少性です。だからこそカナルクラブではアンティークウォッチを守っていきたいと思います。
メンテナンス後の保障はありますか?
1年間保証いたします正常なご使用下においての不具合のみで、落下や衝撃、水入りなどお客様の過失による動作不良と確認された場合は保証対象外となります。