最近話題になっているサスティナビリティという言葉。「持続可能性」と言う意味です。つまりどんどん作って、どんどん捨てて、どんどん買うという時代への反省です。この言葉、ファッション関係の記事で目に付くことが多い気がするのですが、他の業種でももちろん意識されています。いろいろな商品がサスティナビリティを考慮して作られ、売られています。しかし、サスティナビリティはモノ作りだけでなく、個人の価値観やライフスタイルについても関係すると思います。

 

すでにモノは充分有る

サスティナビリティは新しく作るものだけでなく、すでに世に出ているものについても、持ち主の接し方によって、成り立たせることができます。つまり、今あるものを大切にする、見直すということです。確かにサスティナビリティは現代社会において大事なキーワードです。いろいろなモノが今まで十分たくさん作られました。すでに十分に世の中に溢れています。もちろん時計業界にいる人間として、毎年発表される新しい時計を買う方がいらっしゃれば嬉しいです。しかし、それとは別に今あるものを大事にするという感覚はやはり重要でしょう。これは飽きてしまったものを我慢して使おうという話ではありません。時計に関しては、価値がどんどん上がっているので、その時計を見直してみる、ということです。そういう視点で見てみると、今まで見えなかったこと、今まで感じなかったことに気づくかもしれません。

 

もしその時計の価値が下がった(飽きた)というのは、オーナーの方だけの感覚なのではないでしょうか。社会的に見ても、他人から見てもそれは、まだ価値を持ち続けています。そして長く持ち続けるほど、価値は熟成していきます。

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