今回の記事は、リファレンスナンバー16014 16030 14000
30系(3035〈カレンダー付〉 3000〈カレンダー無し〉)を使用しているロレックスについて書きます。
常々、ロレックスのムーブメント、キャリバー3035と3000の切替車の破損が他の機種に比べて多いということを感じています。
キャリバー3035は、キャリバー1570の後、そして3135の前に開発されたムーブメントで、1970年代後半から1980年後半までの製造です。この3035などに対する評価は技術者間でもかなり高いものです。
30系はなぜか高額部品の破損が多い
しかし高評価を受けているにも関わらず、なぜか高額部品の破損が多い傾向があります。もちろん定期的にメンテナンスされている場合はそれほど多くはありませんが。
切替車(切り替え車 reversing wheel)が危ない
30系の部品破損で、特に目立つのが、“切替車”という部品の破損です。しかもこの切替車は1個の時計に2個使われていて、多くの場合、2個とも交換が必要になります。ちょっと始末に負えない感じです。メンテナンスをしないと、多くの部品が破損してメンテナンス費用が高くなる、と口を酸っぱくして言い続けていますが、いくら長期間メンテナンスをしていなかったにしてなぜ3035,3000だけ切替車の破損が多いのか?
そこで複数の内部・外部の技術者に質問をしてみました。
まず「リューズでゼンマイを巻くときに早く巻くと切替車に負担がかかり破損しやすい」という点です。これは30系だけではなく、どの時計にも言えることですが・・・。ゼンマイを巻くときに早く巻くことのデメリットは30系だけに起こることではない。ただ、プラスチック風防仕様(16014など)なので、防水性が落ちやすくサビの粉が切替車につく、その粉が原因で切替車がこすれて緩んでくる。つまり粉が出てからリューズで早くゼンマイを巻くと確かにダメージは大きくなる。ということはやはりゼンマイはリューズでゆっくり巻く方が良いということになります。
しかし、14000などはサファイアガラス仕様ですが、やはりダメージが大きい確率が高いです。
こうやって考えてくると、どうも、ズバリこれが原因というのは特定し難いのですが。
結論
予防策の結論としてはやはり定期メンテナンスが重要ということですが、特に3035、3000にはそれが言えるということ。
さらにゼンマイをリューズで巻く際にゆっくり巻くことにより切替車に負担をかけないというのは、やはり相当効果がありそうです。これは日常でも使える使用習慣ということになります。