10年間放置した腕時計に潜むリスクと定期メンテナンスの重要性

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機械式腕時計は、精巧な機械部品で構成されており、定期的なメンテナンスが必要です。10年という長い年月を経ていると、部品の摩耗や腐食によって、さまざまな問題を引き起こします。

オーバーホールを怠っている腕時計では、次のようなリスクが考えられます。10年以上オーバーホールをしていない腕時計をお持ちでしたら、できるだけ早いタイミングでオーバーホールを依頼しましょう。

10年間オーバーホールしなかった腕時計のリスクと対処法

■ 防水性能の低下

防水性能が高い腕時計であっても、ゴムパッキンの寿命は最大で5年です。ゴムパッキンが劣化し、歪みやヒビ割れが生じると、時計内部に水分が侵入しやすくなります。そのため、防水性能を維持するためには、5年以内の点検が不可欠です。

■ 精度の低下

腕時計内部の潤滑油が乾いている可能性があります。潤滑油の乾きは、部品の摩耗や腐食をもたらすため、危険な状態です。摩耗や腐食が進むと、時間の誤差が大きくなったり、日付や曜日が正常に表示されなくなったりします。そのため、定期的にオーバーホールを依頼し、注油をおこいましょう。

■ 見た目の劣化

ケースやブレスレットなどの外装部品は、時間の経過とともに傷や汚れが付着し、見た目が劣化しやすいです。部品同士の摩擦によって生じる金属粉、汗やほこりは、汚れ・サビ・肌荒れなどの原因となります。

「金属製ベルトから黒い汚れが出る」「シャツの袖が汚れる」「腕時計を着用していると皮膚がかゆい」などの問題が生じていれば、腕時計のクリーニングを考えてもよいでしょう。

■ 故障

部品の劣化や摩耗が進むと、故障のリスクが高まります。特に、リューズのような高額部品が破損すると、修理費用が高額になる場合もゼロではありません。ねじ込み式リューズでは、絞め過ぎや、締める角度の誤りによるネジ山の潰れだけでなく、汗によるステンレスの腐食が故障の原因になります。

通常、ステンレスが空気に触れているときは、表面に酸化被膜ができるため腐食しません。 リューズの内側やクロノグラフのボタンの内側などに汚れや汗が溜まると、ステンレス表面が空気と遮断されるため酸化被膜ができなくなり、腐食してしまうのです。そのため、汗の量が多い方、あるいは夏のご使用頻度の高い方は注意が必要です。

オーバーホール時には、リューズやボタンの内側も洗浄するため、脂分は除去されます。脂分が除去されたステンレスは、表面に酸化被膜ができ、再び腐食しない状態に戻せるのです。これにより、ステンレス製のリューズやボタンを長持ちさせることが可能となります。

定期的なオーバーホールはカナルクラブにお任せください

腕時計のオーバーホールは、時計の正確性や耐久性を維持する上で不可欠であり、専門知識と熟練した技術が必要な作業です。異変を感じた場合は、経験豊富な専門家に相談しましょう。

カナルクラブは、東京都・御徒町で50年続く、高級時計専門修理店です。当店では、豊富な経験と確かな技術を持つ職人が、一つ一つ丁寧にメンテナンスします。ご相談・お見積りは、専用フォームよりお申し込みください。

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こちらのコラムでは主に初めてオーバーホールする方に向けてぜひ知っておいていただきたいことを書いています。

カナルクラブではオーバーホールの大切さを知っていただき、大切な腕時計の価値を長持ちさせていただきたいと思っております。

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