腕時計のポリッシュ(キズとり研磨)について

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オーバーホールとは

高級腕時計
高価な腕時計や形見として受け継いできた腕時計は、とても大切です。大事にするためには定期メンテナンスが欠かせません。

まずはオーバーホールの話をしましょう。オーバーホールは腕時計のメンテナンスの中でも難易度が高く、知識と技術がない人が行うと腕時計の状態が悪化して使い物にならなくなる恐れがあります。

オーバーホールの手順は、まず腕時計の裏蓋を外し、中に取り付けられているパーツを全て分解して洗浄します。パーツが劣化しているものは新しい部品と交換します。組み立てる時は、専用のオイルを注油しながら、分解した時とは逆の手順で組み直していきます。

簡単なように思えますが、パーツの数も多く、状況を見ながらオイルの種類や量を判断していくため、知識と技術が必要なのです。

手順はほぼ決まっていますが、ただ手順通りに分解し組み立てるだけでは、腕時計の機能は再現できません。やはり技術者の知識や経験、腕に委ねられている部分が多くあります。腕時計に特にダメージのない定期メンテナンスの場合でも同じです。

新品同様になるメンテナンス 「ポリッシュ」

「ポリッシュ(研磨)」というメンテナンスもあります。ポリッシュとは、バフモーターと呼ばれる機械を使って、ポリッシャー(ポリッシュする人)が手作業で腕時計の傷をとっていくメンテナンスです。大切に使っていても、細かい傷がつくことがありますが、ポリッシュをすることにより綺麗になります。

店舗によって「ポリッシュ」「研磨」「新品仕上げ」などいろいろな呼び名がありますが、どちらにしても名前の通り新品のような状態を取り戻すことができるのです。

高価な腕時計は、綺麗な状態で長く使いたいと思うでしょう。しかし、全ての腕時計に研磨ができるわけではありません。基本的にはステンレス、ゴールドなどの素材だけです。チタンやメッキ、プラスチックといった素材は、研磨できないため注意してください。

また、削りすぎると見た目の質感が変わったり、資産価値を下げてしまう恐れがあるため、このメンテナンスにも技術と経験が必要になります。

基本的にオールドウォッチ(アンティークウォッチ・ヴィンテージウォッチ)はポリッシュしない方が良いことが多いです。かなり傷んだ時計ですとより脆弱化してしまいます。ポリッシュを依頼する前に一度相談なさった方が良いでしょう。

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こちらのコラムでは主に初めてオーバーホールする方に向けてぜひ知っておいていただきたいことを書いています。

カナルクラブではオーバーホールの大切さを知っていただき、大切な腕時計の価値を長持ちさせていただきたいと思っております。

ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください。