近年、中古の高級腕時計市場が大きく伸びています。デザインの多様化や価格高騰、サステナブルな価値観など、消費者の意識が変化していることが背景にあります。
しかし、中古時計は状態に個体差が大きく、「見た目はきれいなのに内部が傷んでいる」というケースも珍しくありません。
本記事では、中古腕時計が選ばれる理由と、失敗しないためにチェックすべきポイントを、修理工房ならではの視点で解説します。

中古腕時計が人気を集める3つの理由
● 新品より手に取りやすい価格帯
人気モデルや高級ブランドでも、中古であれば大幅に価格が下がることがあります。特に初めて高級時計に挑戦する人にとっては大きな魅力です。
● 廃盤モデル・希少モデルが手に入る
ロレックスやオメガをはじめ、多くのブランドは定期的にモデルチェンジを行います。中古市場は“今は手に入らない”一本と出会える場でもあります。
● 資産価値として注目されている
近年、時計は資産としての役割も重視されています。「購入後に値上がりする可能性がある」点が中古人気を押し上げています。
中古時計でも起こる“見えないリスク”とは?
中古時計は外装だけで判断しがちですが、内部の状態が最も重要です。
● オーバーホール歴が不明な個体
内部が汚れたまま使われていると、精度低下だけでなく部品摩耗が進み、将来的に大きな修理が必要になる可能性があります。
● 社外部品の混在
中古市場では、純正ではない部品に交換されていることもあります。外観では見分けがつかないケースもあり、価値を大きく左右します。
● 防水性が損なわれている場合も
見た目がきれいでもパッキンが劣化していることがあります。防水検査をせずに使い続けると、浸水や曇りの原因になります。
購入前にチェックすべき“工房目線のポイント”
● 販売店の“保証内容”を確認する
保証期間が短すぎる場合、内部状態に不安がある個体である可能性があります。長期保証がある店は信頼性が高い傾向があります。
● 裏蓋の開閉歴やオーバーホール記録を確認する
記録が明確な時計は状態が読みやすく、将来的な修理費用も見通しやすいです。
● 外装の研磨状態もポイント
過度な研磨によってケース形状が崩れている場合があります。エッジが丸くなりすぎている時計は要注意です。
● 可能であれば磁気帯び・歩度測定をチェックできるか確認
店舗によっては、購入前に歩度計で測定させてくれたり、磁気の有無をチェックすることができる場合もあります。店舗に確認をしてみましょう。
購入後に行うべきメンテナンス
中古時計は購入後すぐにオーバーホールが必要とは限りませんが、次の点を確認すると安心です。
● 歩度の確認
購入直後の歩度が安定していれば、内部状態は良好なことが多いです。
● 防水検査
特にダイバーズモデルは必須。パッキン劣化は外観では判断できません。
● 必要に応じて早めのOHを検討
5年以上メンテナンス歴がない場合は一度点検をおすすめします。
中古時計を安心して楽しむために
カナルクラブは御徒町で50年にわたり、高級時計専門の修理を手がけてきました。
ロレックスやオメガをはじめ、数十万本に及ぶ修理実績をもとに、内部状態やパーツの違いまで見極めた確かなメンテナンスを行っています。
中古時計は選び方次第で、非常に満足度の高い一本となります。
購入後も安心して長く使うために、定期的な点検やメンテナンスを取り入れながら、大切な腕時計と向き合ってみてはいかがでしょうか。
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こちらのコラムでは主に初めてオーバーホールする方に向けてぜひ知っておいていただきたいことを書いています。
カナルクラブではオーバーホールの大切さを知っていただき、大切な腕時計の価値を長持ちさせていただきたいと思っております。
ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください。




