
チューダー(チュードル)は、その高い品質と手頃な価格から、多くの時計愛好家に支持されているブランドです。ロレックスとの深い関係を背景に、独自の存在感を確立してきたチューダーの歴史や特徴、修理に関する注意点について詳しくご紹介します。
チューダーの歴史:ロレックスとの特別な関係
チューダーの歴史は1926年、ハンス・ウィルスドルフ(ロレックスの創設者)の代理として、ヴーヴ ドゥ フィリップ ヒュンターが「The TUDOR(チューダー)」という名前が商標登録されたことから始まります。その後、1936年にハンス・ウイルスドルフに譲渡され、正式にブランドとしてスタートしました。
このブランドは「ロレックスの品質をより手頃な価格で提供したい」というハンスの思いから生まれました。時計のケースやリューズにはロレックスの技術が活かされ、内部のムーブメントには信頼性の高いETA社製を採用することで、高品質とコストパフォーマンスを両立しました。
ミリタリーウォッチとしての実績
チューダーは、耐久性と信頼性の高さから、軍用時計としても長い実績を持っています。特にフランス海軍や米海軍で採用された経歴は、チューダーの技術力と信頼性を象徴する重要なポイントです。
フランス海軍とチューダーの歴史
フランス海軍(Marine Nationale)は、1950年代後半からチューダーの時計を正式採用しました。当時、海軍のダイバーズウォッチに求められる基準は非常に厳格でしたが、チューダーの「サブマリーナ」シリーズがその要件を満たし、高い評価を得ました。これにより、海軍の特殊部隊の標準装備として広く使用されるようになりました。
特に、「MN(Marine Nationale)」の刻印が裏蓋に施されたモデルは、ヴィンテージ時計市場で非常に希少価値が高く、多くのコレクターにとって憧れの存在となっています。
米海軍での活躍
米海軍(U.S. Navy)でも、チューダーの時計が採用されていました。特に、1960年代から1970年代にかけて、多くの軍人が日常任務や潜水作業でチューダーの時計を使用していました。これらの時計は、過酷な環境下でも正確な時刻を刻み続ける堅牢性を証明し、多くの兵士に信頼されていました。
ミリタリー仕様の設計と特徴
軍用時計としてのチューダーの成功は、その設計にも現れています。耐衝撃性、防水性、視認性に優れた設計が特徴であり、特に大きなリューズや高コントラストの文字盤は、どんな過酷な状況でも時間を正確に読み取れるように設計されています。また、ナイロン製のストラップや独特の文字盤デザインは、軍用時計としての実用性をさらに高めました。
チューダーのミリタリーウォッチの実績は、時計ブランドとしての技術力と信頼性を裏付けるだけでなく、コレクターや時計愛好家にとって特別な魅力を持つ要素となっています。
近年の再評価: ブラックベイシリーズ
チューダーの「ブラックベイシリーズ」は、2012年に初めて発表されました。このシリーズは、ブランドの歴史を象徴するクラシックなデザインを現代的にアレンジしたモデルとして、瞬く間に注目を集めました。
ブラックベイの特徴は、1960年代のチューダーのダイバーズウォッチからインスピレーションを受けたデザインにあります。特に、アイコニックな「スノーフレーク」針やドーム型風防は、ヴィンテージ感を演出しながらも現代的な使いやすさを兼ね備えています。
さらに、2015年にはブラックベイシリーズにチューダー初の自社製ムーブメントが搭載されました。このムーブメントは耐久性や精度が向上し、70時間のパワーリザーブを実現しています。これにより、週末に時計を外しても、月曜日に再び使用する際に時刻が狂うことなく使える利便性が好評です。
ブラックベイシリーズは、単なるリバイバルモデルに留まらず、革新的な素材や技術を取り入れることで、コレクターや時計愛好家の間で高い評価を得ています。たとえば、ブロンズ製ケースやペリラームーブメントを採用した限定モデル、クロノグラフ機能を搭載したスポーティなバリエーションなど、幅広いラインナップを展開しています。
時計選びとメンテナンスを楽しむために
チューダーは、多くのモデルにはETA社製ムーブメントが使用されています。ETA社製ムーブメントは互換性が高いため、部品の調達が比較的容易で修理しやすい点がメリットです。
その高品質と独自性で多くのファンを魅了してきたチューダー。手頃な価格でありながら、耐久性やデザイン性に優れた時計は、日常使いから特別な場面まで幅広く活躍します。
カナルクラブでは、チューダーをはじめとする高級時計の修理やメンテナンスを承っています。50年以上の実績を持つ専門技術者が、時計の性能を守るための最適なケアを提供し、大切な時計を末永く愛用いただけるようサポートいたします。
時計のメンテナンスは、ぜひカナルクラブにご相談ください。
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こちらのコラムでは主に初めてオーバーホールする方に向けてぜひ知っておいていただきたいことを書いています。
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