ひとことで”腕時計の針がずれる”といっても、秒針がずれる、短針と長針がずれる、クロノグラフの針がずれるなど、気になる症状はさまざま。構造上の問題である場合もありますが、状態によっては修理が必要です。今回は、針ずれの原因と修理が必要なケースについて解説します。
秒針がずれる場合
秒針が動くとき、時計の目盛りと微妙にずれている気がする……
このように感じた経験がある方もいらっしゃると思います。秒針と時計の目盛りが微妙にずれている現象は、必ずしも故障というわけではなく、針を動かす歯車の構造によるものです。
歯車と歯車の間には“バックラッシュ”と呼ばれる隙間が設けられています。バックラッシュを設けることで、歯車にかかる負荷や時計部品の摩耗を減らしているのです。構造上、隙間部分の状況により、どうしてもずれが生じる場合があります。若干のずれはあまり気にされる必要はありませんが、大きくずれて気になるという場合は、一度時計修理店へご相談ください。
短針と長針がずれる場合
時間を刻む“短針”と、分を刻む“長針”が12時を示すとき、ぴったりと重ならない……
秒針のずれと同様に構造上の問題であるほか、針を取り付けている部品の緩み、歯車そのものに不具合が生じている可能性も考えられます。時計に強い衝撃が加わったり、時計部品の経年劣化が生じたりすると、部品の緩みや不具合の原因になりやすいです。原因を突き止めるためには、オーバーホールを実施し、破損している箇所があれば修理が必要なケースもあります。
クロノグラフの針ずれ
クロノグラフとは、経過時間をあらわす“ストップウォッチ機能”がついた時計を指します。クロノグラフ搭載モデルとして、ロレックスのコスモグラフ デイトナや、オメガのスピードマスターが有名です。
クロノグラフも同様に、バックラッシュがあるため若干のずれが生じます。ずれが大きい場合は、クロノグラフのボタンを操作してご自身での調整も可能ですが、改善されなければ針の部品の緩みが考えられます。ご自身での調整で改善されなかった場合、オーバーホールを実施し、破損箇所が見つかれば修理が必要です。
定期的なオーバーホールで時計の動きを正常かつ快適に
腕時計が正しい時間を刻むために、針は最も大きな役割を担っています。多少のずれは構造上の問題でもありますが、気になる場合はお早めに時計修理店へご相談いただき、オーバーホールを実施されることをおすすめいたします。
カナルクラブは、御徒町で50年以上続く、高級腕時計専門の修理工房です。経験豊富で腕のいい技術者が、責任を持ってお客様の時計をオーバーホールいたします。機械式腕時計の定期メンテナンスやオーバーホールは、年間7000件の修理実績を誇るカナルクラブにお任せください。高度な技術を、適正価格でご提供いたします。
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こちらのコラムでは主に初めてオーバーホールする方に向けてぜひ知っておいていただきたいことを書いています。
カナルクラブではオーバーホールの大切さを知っていただき、大切な腕時計の価値を長持ちさせていただきたいと思っております。
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