
時計の風防(ガラス部分)は、時計のデザインや耐久性に大きく関わる重要なパーツです。
時計の使用環境や目的によって、最適なガラス素材は異なります。サファイアクリスタル、ミネラルガラス、アクリルガラスの3種類が一般的に使用されていますが、それぞれ特徴があり、メリット・デメリットが存在します。本記事では、それぞれの素材の違いと、どのような時計に適しているのかを詳しく解説します。
サファイアクリスタル:最高級の透明度と耐傷性
サファイアクリスタルは、時計の風防に使用される素材の中で最も耐傷性に優れています。硬度が非常に高く、ダイヤモンドに次ぐ硬度(モース硬度9)を持つため、日常的な使用で傷がつくことはほとんどありません。そのため、ロレックス、オメガ、タグ・ホイヤーなどの高級ブランドで標準装備されており、ドレスウォッチやビジネスシーン向けの時計に最適です。
■メリット
– 抜群の耐傷性:砂や金属製品との接触でも傷がつきにくい
– 高い透明度:光の反射を抑えるコーティング(無反射コーティング)が施されることが多く、視認性に優れる
■デメリット
– 衝撃には弱い:硬度が高い分、強い衝撃が加わると割れてしまうことがある
– 修理・交換費用が高い:サファイアクリスタルは加工が難しく、交換時のコストも高め
ミネラルガラス:バランスの取れた実用性
ミネラルガラスは、一般的な腕時計に最も多く採用されている素材です。化学処理によって強化されることが多く、耐傷性・耐衝撃性のバランスが取れた実用的な風防です。そのため、カジュアルウォッチやスポーツウォッチ、エントリーモデルの腕時計に適しています。
■メリット
– 適度な耐傷性:日常使いでは十分な硬度を持ち、軽い傷では目立ちにくい
– コストパフォーマンスが良い:比較的安価で、修理・交換費用も抑えられる
■デメリット
– サファイアクリスタルほどの耐傷性はない:強い摩擦や金属との接触で傷がつく可能性がある
– 長期間使用で劣化する:傷が増えると曇りやすくなり、視認性が低下
アクリルガラス:ヴィンテージ感と修理のしやすさ
アクリルガラスは、プラスチック素材でできた風防で、主にヴィンテージウォッチや一部の軍用時計に採用されています。軽量で柔軟性があり、割れにくいのが特徴です。
■メリット
– 柔軟性があり、割れにくい
– 細かい傷はポリッシュ(研磨)することで簡単に補修することができる
■デメリット
– 傷がつきやすい:最も傷がつきやすい素材であり、頻繁なケアが必要
– 透明度がやや低い:経年劣化で曇りやすい
時計のガラス交換・修理のタイミング
時計の風防は、使い続けるうちにどうしても傷やひび割れが生じることがあります。以下のような症状が見られた場合は、交換や修理を検討しましょう。
• 視認性が悪くなった(傷や汚れが多くなり、時間が見えにくくなった)
• ひび割れや欠けが生じた(小さなひびでも放置すると悪化する可能性あり)
• 防水性能が低下した(風防とケースの隙間から湿気が入りやすくなる)
特に、サファイアクリスタルが割れた場合は、時計内部にガラス片が入り込み、ムーブメントに悪影響を与える可能性があります。傷やひびを見つけたら、できるだけ早めに修理を依頼しましょう。
カナルクラブは御徒町で50年にわたり高級時計専門で修理を行っている実績があります。部品交換には純正部品を使用し、数十万という時計修理を手がけてきた経験豊富で腕のいい技術者達が、責任を持ってお客様の時計をオーバーホールいたします。
ガラスのひび割れ、オーバーホールは年間7000件の修理実績を誇る高度な技術力と適正価格のカナルクラブにお任せください。
同じカテゴリの記事



SEARCH
MESSAGE
こちらのコラムでは主に初めてオーバーホールする方に向けてぜひ知っておいていただきたいことを書いています。
カナルクラブではオーバーホールの大切さを知っていただき、大切な腕時計の価値を長持ちさせていただきたいと思っております。
ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください。