減圧バルブとは何か?
各種時計ブランドより防水性の高いモデルが発売されておりますが、そういった時計には大概は10時位置に減圧バルブがついています。減圧バルブは深い海などに潜った時に時計内にヘリウムガスが浸入してしまうのですが、地上に戻った時に時計内に侵入したヘリウムガスを抜くためのバルブです。お客さんに訊いても、これを使っている人にはまだ会ったことがありません。しかし、減圧バルブは使いもしないのに、壊れると交換が必要になりお金がかかります。「そこは直さなくてもいいよ」と言われても、そうはいきません。
減圧バルブを守るのは全く簡単です
カナルクラブではいつも発信していることですが、理想的なメンテナンスのためにはリューズやボタンを守ることが第一条件です。同じようにこの減圧バルブも守れるのでお伝えします。減圧バルブの破損は、リューズの破損ほど大きい金額的な被害にはなりません。しかしリューズに対するのと同じ認識で守れます。
減圧バルブの破損の原因は?
減圧バルブの破損はリューズ・ボタンの破損と同じように内側に侵入した汗の脂分や、汚れを長期間放っておくことによって腐食が起こるということです。それを防ぐにはやはり3年から4年での定期メンテナンス時に減圧バルブの内側を洗浄することが唯一の方法になります。(遅くとも5年まで)
日常できる減圧バルブのメンテナンス
たまに、減圧バルブ(ネジ込み式)を緩めて、また閉める。これだけです。これだけで減圧バルブは長持ちします。もちろん定期メンテナンスは必要ですが、これはさらに効果を上げる方法です。長年、減圧バルブを開閉しないでいると(なにしろほとんど使わない機能なので)、減圧バルブが固着してしまうこともあります。もっとも固着しても、内側に柔らかいビニールのついたヤットコがあるのでそれで開けることができます。しかし、そのまま放っておくとバルブ内部が腐食して破損するという結果を招いてしまいます。今回もまたステンレスの弱点とその対処法という内容になりましたが長年時計を守るという観点からすると、オイルがどうのというよりステンレスに対する用心が大事ということです。