リューズでゼンマイを巻くときに急がない

切替車はどちらかというと、破損し易い部類に入るでしょう。つまりメンテナンスとメンテナンスの間に扱いに気を付けた方が良い部品と言えるでしょう。切換車の破損はまず第一にリューズでゼンマイを巻くときに速く巻くと負担がかかるといわれています。時計メーカーも切替車には頭を悩ませているようで、切替車を使わない時計というのも構想の中にあるようです。

“クロノス”という時計雑誌に書いてあったのですが、どこかのメーカーが切替車を使わない時計を作ろうとしていると書いてありました。現実化するかどうかはわかりませんが。

 

 

過去に日本では実現してる

日本では1970年代だったと思うのですが、(ラチェット車で検索)セイコーがそのような時計を作ったことがありました。しかし、短期間で消えてしまったことを考えると何か壁があったようです。切替車の無い時計はリューズを回してゼンマイを巻くことができません。時計を手で持って振ることでゼンマイを巻きます。おそらく想像ですが、時計を振ってゼンマイを巻くという方法は巻き上げ効率が圧倒的に悪い、つまりなかなかゼンマイが完全に巻けない。つまり精度が上がらない、という流れだったと思います。それが生産打ち切りに繋がったと考えられます。

 

オートマチック時計は全巻き(ゼンマイが全部巻かれている状態)のときだけその時計の最高の精度になるのですから、巻き上げ効率の悪さは決定的な欠点と言えます。なかなか難しい問題ですね。

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