使用頻度が低ければ、パーツのダメージは無い?
長期間オーバーホール無しでもほとんど使っていないから部品の破損は無いだろうという考えも、もちろん有ります。条件によっては、それは正しいです。パーツに注したオイルが劣化していても時計を動かなさなかったら、パーツの摩耗も無いですし,ゴムパッキンが劣化していても水に浸けず、雨にも降られず、汗もかかない状況ですと問題ありません。(実際は外気がほんのわずかですが侵入するようになるので、少しはサビはやはり発生します)
問題はどの時点で使わなくなったか?
新品で購入してからすぐに使用しなかったとしたら確かに部品のダメージは無いはずです。ここでポイントはその時計がパーツに厳しい環境になっているか、いないか?そこだけです。最初から、あるいはオーバーホール直後からほとんど使用していなければ,部品は傷みません。(これは100%傷まないという意味ではなく、部品の劣化がもの凄くゆっくりになるということです。)
しかし、さんざん使って、オーバーホールをせず、その後タンスに長期間しまっておいたとなると、全く話は違います。タンスにしまう前に時計は、パーツにとって厳しい環境になってしまっているので、使用しなくてもダメージは大きくなっていきます。(特にサビの進行)現物を拝見しないとどのくらいパーツ交換が発生するかはわかりませんが、まず一度はオーバーホールをして良い状態に戻す必要があります。つまりパーツに厳しい環境をパーツにやさしい環境 に変えるためにとりあえずオーバーホールは必要です。それさえ済ませれば一安心です。後はポイントを押さえた使用習慣を実践することですね。これで万全です。