昔、1980年代、90年代に多く目にした ラドー(RADO) ウォルサム(WALTHAM)テクノス(TECHNOS)などのメーカーが盛んに使った超硬ケースというものがあります。
これは、色はシルバー色(金色もあったかも?)。ただ、シルバーと言ってもステンレスとも、ホワイトゴールドともプラチナとも(そして本当の銀とも)質感が全く違います。本当にピカピカしています。金属とガラスの中間のような、質感です。超硬ケースは本当に硬度が高く、ほとんど(全く?)キズが付きません。しかし、割れることは割れます。何度も割れたケースを見た記憶があります。
ではシャネルJ12は? シャネルのJ12のケース・ブレスレットにはカラーが真っ黒と真っ白の2種類有ります。2000年に発売以来、人気の時計であります。こちらも超硬ケースと同じで硬度が高く、キズがつきにくいセラミックを使用しています。こちらの材質はNASAのスペースシャトルと同じもので、非常に頑丈であるとシャネルブティックの店員の方から説明された記憶があります。時計業界にセラミック旋風を巻き起こしたともいわれたシャネルJ12ですが、キズが付かないのは果たして理想的なのでしょうか?
いつまでも新品のような外観。それに対して、ステンレスや18金のケースやブレスレットは使えば使うほど小キズがついてきます。キズがつくと最初は残念な気持ちになります。だんだんキズが増えてくると、気にしなくなり、さらにある時を境にキズに愛着がわいてくるものです。(個人的な感覚ですが)製造から何十年も使用しているのに時計のケース、ブレスレットに全くキズが無いというのは違和感があります。以前にもブログに書いたのですが、全く皺(しわ)のないおばあちゃんやおじいちゃんのような感じがしませんか?
しかし、シャネルJ12の功績は、腕時計に真っ黒と真っ白という大胆なカラーを持ち込んだということにあるようです。元々時計は、色という点ではそれほど変わり映えはしないものですから。