1980年代90年代中盤くらいまでは,かなり金無垢(18金)の時計を見る機会がありました。ロレックスのメンズデイデイト レディースデイトジャストあたりの18金時計が多かったです。後はホワイトゴールド プラチナ(この2種は煌びやかさはありませんが)までかなり貴金属素材の時計が多くありましたね。またその当時、ホワイトゴールドのオメガスピードマスターが修理依頼されたことがあります。一見普通のスピードマスターですがもの凄く重かったのを覚えています。

 

18金の時計にはわかりやすい“リッチさ”という特徴以外にもいろいろな良さがあります。まず腐食し難いという点です。あとは換金性が高いということ。時計としての価値が下がっても18金の価値は残るし、また換金の基準もほぼ決まっており面倒がありません。また18金または21金のオートマチックのローターというものがありますが、これは伊達に金を使っているのでではなく比重の重い材質ですとローターが回りやすいという利点がありました。。

しかし、材質による高級化は現代でははやりません。普通の時計には無い機能による個性。例えばクロノグラフ  GMT機能   優れた防水性などが必要かどうかは別として多くの人に受け入れられるようになったのです。しかし、18金のようなインパクトが強い時計が平気で身につけられる時代の方が社会の強さを感じるのですが・・・。現代では18金の時計を見に浸けるのは和服を着るのと似た感覚なのかもしれません。

 

 

同じカテゴリの記事

道具としての時計から、ものとしての時計へ 

高級時計が映す「文化の成熟」 時計は、もともと「時間を知るための道具」 ...

カナルクラブから

READ

値段?感情? どっちが本当の価値?

市場とあなたのあいだのズレ ここ数年、高級時計の価格は(安定しているも ...

カナルクラブから

READ

腕時計は必ずしも必要ではない――だからこそ問われる存在の意味

スマホがあれば時間はわかる スマートフォンを取り出せば、正確な時刻がす ...

カナルクラブから

READ

CATEGORY

SEARCH

ARCHIVES

MESSAGE

当ブログでは皆さんに時計に関してのあらゆるお話ができたらと思いますので宜しくお願いします!

施工事例や時計に関するよもやま話などホームページ内ではお伝えしきれなかった内容も書かせていただきますのでぜひご覧下さい。

高級時計修理工房
カナルクラブ