長年時計修理業を営んでいると、凄いダメージの時計を見ることがあります。「よくここまで・・・!?」と思うような状態です(悲)
そのような状態になった原因を一言で言うと、使用頻度の割にメンテナンス期間が空き過ぎているからです。例えば、毎日使用しているのに10年メンテナンスしていないというと何年も前からオイルの劣化、ゴムパッキンの劣化があるはずです。メンテナンス=オーバーホールをしないで使い続けると部品の摩耗、サビの発生が起こっているはずです。
もちろんこれが部品交換に繋がるかどうかは、部品をチェックしないとはっきりしたことは言えませんが、細かいことを言うときりが無いので、すべてを包括する視点から書かせていただきますが、時計の不必要な部品のダメージは生活習慣病と言えます。「つまり徐々に部品を蝕む要因の解決をしないだけでなく、その要因を追加し続ける。」
これが時計の大きなダメージの原因です。これがオーバーホールが高額になる原因です。これだけは避けたいです。ただ、すでに大きなダメージを負ってしまった時計については高額になったとしても、一度良い状態に戻す必要があります。そしてその後は、特に高額部品に負担をかけない使用法と定期メンテナンスにより、やっと“理想的なメンテナンスサイクル”を手に入れることができます!