
時計の部品に注してあるオイルは3年から4年で劣化します。5年もつこともありますが、これはいろいろな条件に左右されるので期待はできません。またオイルの劣化の少し後に裏ブタやリューズ、ボタンなどの内側に装着してあるゴムパッキンの劣化も起こります。つまり防水性能が落ちていきます。
この2点が定期メンテナンスは3年から4年で行うのがベスト、という根拠です。しかし、その時期にメンテナンスしなくても時計はかなり長期間動き続けることがあります。しかも精度もそれほど落ちなかったり、逆に精度が良くなったように見えることがあります。しかし、時計内部(外部)の状態はどんどん悪い方向に向かっています。精度と違って、この“状態”は放っておいて良くなるということはありません。したがってメンテナンス=オーバーホールの時期は、ご購入から、または前回オーバーホールからの期間で決めるべきということになります。
どんなに精度に問題が無くてもこのタイミングのメンテナンス=オーバーホールが必要です。
もし数年後に手放す予定という方は別ですが、そもそもカナルクラブのお客様にはそういう方が非常に少ないようで、修理する側としても嬉しい話です。3年から4年でメンテナンス=オーバーホールをしておけばステンレスのリューズを非常に長い期間破損させないことが可能になり、メンテナンスの金額を抑えることに成功します。