
この時計、ご存じですか?
文字盤に特徴的な文字がプリントされています。オメガ エレクトロニック 音叉時計です。ゼンマイ時計より、安定した精度を求めた結果、音叉の振動を利用しようということになりました。1960年にアメリカのブローバー社が発売を機に、クオーツ時計の普及に伴い、競争力を失う迄の16年間という短期間で製造を中止しています。
・クォーツの方が精度が良い。
・そして安価に製造できる。
・後、クォーツより開発費用が掛かったのかもしれない
これらの点からその座を奪われてしまうわけです。
音叉とは、特定の高さの音を発する2股のU字状の金属のことです。
キャリバー9162 音叉の振動により時計をコントロールする発想です。懐かしいです。そしてカッコイイですね。オメガの古い時計によくある、“昔夢見た未来”を感じます。その後、クォーツ時計が出来て(クォーツは水晶の発信ですから)新時代の主役の座を奪われたのですが。それにしてもこの時計はカッコいい。ブローバアキュートロンと並んでカッコいいと思います。お持ちの方、羨ましいです!!オメガのクロノグラフ音叉時計 スピードソニックもいいなぁ!!
当時最新の考えでつくられたとはいえ、ムーブメントを見るとまだまだアナログ感が漂っています。
文字盤の文字や図柄も意味ありげですね。
かつていろいろなメーカーが音叉時計はつくったと思いますが、記憶にあるのは ブローバ オメガ IWC(インターナショナル ウォッチカンパニー)、後はシチズンやテクノスかウォルサムでもあったような気がします。でもカッコいいのはオメガとブローバで、IWCのものは一般的なデザインのケースにただ音叉ムーブメントを入れてあるという感じで、あまりデザイン的には面白みのあるものでは無かったような気がします。あくまでも私の主観ではありますが・・・・
この音叉時計のオーバーホールをご依頼になったユーザー様は、カナルクラブにロレックスをご依頼になっていて、さらにもう1個ということでお持ちいただいたのですが、音叉時計は30年以上前から部品が入手できない状態で、修理をお受けすることができませんm(_ _)mそこで電池交換だけをその場で承ったのですが、音叉時計は水銀電池の343を使っていたのですが、この343もすでに製造中止になっています。そこで代用品のRENATA344(ボルト数は違うが使えるので)を入れてみると、何と、動き出しました!止まってから10年以上経過しているということでしたので動くとは思っていなかったのですが。
これでしばらくは使えるかなと思ったのも束の間、時刻を合わせようとしても短針が動きません。また、カレンダーも変えることができません。しかし、オーナーの方には、スウィープ運針の動きを再びお見せすることだけで満足するしかありませんでした。
自分のことのように全く残念です